2023年度理工学部キャリアデザインセミナー(電気電子工学)を実施
update: 2023.12.13
実施部門: 電気電子工学部門
実施年月日: 2023年12月6日(水)
セミナー①
講師氏名: 馬場 崇之 氏(2010年電気電子工学科入学)
就職先: 株式会社名村造船所
タイトル: キャリアデザインの重要性
<講演の概略>
本講演では,自己紹介の後,会社や船舶業界の概要,具体的な仕事内容,キャリアデザインとは何か,自身の就職活動や学生に対してのメッセージを話していただきました。名村造船所が橋梁製造事業も行っており,佐賀県内の大規模な橋の多くを製作し,そして今年完成したサガサンライズパークの栄光橋を手がけられたことは,学生に取っては意外なことだったようです。一隻の大型船が作り上げられていく過程の中で,そのスケールの大きさ,電気電子工学の技術者が発電設備から電子機器に至る幅広い範囲を取り扱っていることは興味深いものでした。自分自身の将来像や会社の雇用形態,実際の就職活動の話は非常に具体的で,就職活動中の学生には身近に感じられるものでした。仕事内容についても分かり易く,次世代の船舶燃料を用いた船の開発に携わっているとのことで,社内でも活躍していることが把握できました。講演の最後に,現役生に対して,これまでの経験はいつ何の役に立つか分からない,色々なものに触って自分の興味を探して欲しいというメッセージを送っていただきました。学生にとっても,電気電子工学が広範な分野で必要とされていることが理解できたと思われます。
セミナー②
講師氏名: 齊藤 優介 氏(2010年電気電子工学科入学, 2014年先端融合工学専攻入学)
就職先: 九州指月株式会社
タイトル: 就活と技術者に求められることについて
<講演の概略>
本講演では,最初に自己紹介があり,会社の概要,コンデンサの開発と様々な用途の具体的事例,技術者に求められることについて話されました。九州指月はフィルムコンデンサの製造が中心で,普段の生活にも近い新幹線・電車,風力・太陽光発電,近年注目の直流送電,製品が東京スカイツリーでも採用されていることなどを説明されました。フィルムコンデンサの製造過程においては,薄電極タイプと蒸着タイプの違いや構造などを,学生に馴染みのある電気回路や分かり易い例えを交えて解説されていました。その中では,自己回復作用のある新技術のコンデンサ,要求に応じて設計を行い満足な製品を作り上げていく道のり,開発試験・破壊試験の重要性が述べられました。最後に,技術者に求められることとして,大学の授業でも出てくるPDCAサイクルを回すことの切さを話されました。また,自分から積極的に提案していくこと,色々な人の意見・知識を吸収していくこと,報告・相談・連絡ができる人間関係の構築,色々なことに興味を持つことを語っていただきました。学生には,普段勉強しているコンデンサが,具体的にどう活かされているのかを知ることができ,大変意義深いものになりました。
<担当教員の報告>
本セミナーには,理工学部の電気エネルギー工学コースと電子デバイス工学コースの3年生,理工学研究科電気電子工学コースと先進健康科学研究科生体医工学コースの大学院1年生が参加し,その総数は114名でした。就職活動を行っている学生が多くいることもあって,講演内容のメモを細かく取っている学生や真剣な表情で聴講している学生が多数見られました。今回のような,自分たちの先輩が実際に働いている様子を直接詳細に聞けることは,インターネットや会社説明会などでは把握できない情報が得られる又とない機会です。特に近い分野への就職を考えている学生に取っては,貴重な経験になったはずです。お二人の講師がともに,「色々なものに興味を持つこと」の重要性を語っておられたことが印象的でした。多くの学生が,普段からその言葉を意識した行動を取ってもらいたいと期待しています。
(担当教員:杉 剛直)
キャリアデザインセミナーの様子